6週間にわたって開催された夏の新潟競馬が9月3日に終了した。新潟名物直線重賞「アイビスサマーダッシュ」が行われた日には約2万人の競馬ファンが訪れ、広い新潟競馬場の駐車場も大変な混雑で、メインレースのファンファーレ時は大きな拍手!新型ウイルス以前より盛り上がった。
TVの競馬実況を始めて23年目の私。今開催も真夏のマイル重賞「関屋記念」を実況担当した。22年前(2001年)といえば、新潟競馬場が左回りになり、直線コース(芝1000メートル)がOPENした年。その年に関屋記念を実況して以来、気がつけば23回連続で実況を担当した。初めて関屋記念を実況したときの勝馬はマグナーテン、NSTオープンを勝利して臨んだレースだった。2009年には番組「スマイルスタジアム」で視聴者が命名したスマイルジャックが優勝!2012年は牝馬ドナウブルーがレコードタイムで優勝するなど数々のドラマを生んだ関屋記念。
実況前日、翌日本番の準備などをしていた際に、「23年連続実況」の話題になった。すると、「同一重賞を23年連続で実況したアナはどこにもいないのではないか」という声が・・・。調べてはいないが考えてみるとレアなケースかもしれない。そう思うと例年以上に緊張感が増した。
今年のレースはスタート時に出走馬1頭がゲートが開く前に飛び出すハプニングも。「寄りによって、なぜ関屋記念で」と思ったが、レースが始まると不思議と冷静に。結果ゴール前、内からするする伸びたアヴェラーレが勝利した。年に1度の番組実況のため大変緊張したが、何とか形にはなったか。
それでもこの23年間、上手くいったレースはごくわずか。ミスをした年もあったし、反省することの方が多いのがこの世界。100レースあれば100通りの実況となる。今回も直線で一番人気馬の描写をもう少し増やしたかったと反省するのだった。
10月の秋競馬では実況の機会はない。また来年?いやいやと思いなおし、戦友ともいえる双眼鏡を静かに磨いた。